風花藍流の私設小説ブログです。つまらないと思いますが、どうぞ~。


by AIL-kazabana
「え? ということは、レンも親の意向でか?」

駅前にある、ちょっとした喫茶店。
落ち着いた雰囲気なのに上品さを感じないので、地元の学生に馴染み深くなっている。学校帰りの女子高生や、学生カップルがちらほらと目にする。テーブルが数個とカウンターがあるだけのこじんまりしているところも、馴染み易さの一つかもしれない。
そんな喫茶店のテーブル席で、向かい合って座った私達は、お互いの身の上話に花を咲かせていた。

「ウチもよぉ……、父親が息子を欲しがってたらしくてな……。で、生まれたのが娘で、でも諦めきれずに俺を男らしく育てたらしいんだよ……。まったく……、身勝手な話だぜ……」

腕を組みながら、少年……いや少年にしか見えない少女のナギは、自分がどうしてこう育ったのかを語っていた。その話を聞いても、ナギはやっぱり男に見える。まあ私も、人のことは言えない外見だけど……。

「それにしても、やっぱり女にしか見えないな……。髪とかも綺麗だし……、未だに男だと信じられん……」
「お互い様だと思いますよ……」

私は、髪が長くて腰まであるし、女物の着物を着てるし、姉にもよく「自慢の妹だ」とか言われるけど、これでもれっきとした男なのだ。だったら何でそんな見た目をしているのかと言われそうですが、これにはちゃんと理由がある。
ナギとはその理由がよく似ているので、それをさっきまで話していたのだ。
それにしても、ナギとは話せば話すほど親近感が湧いてくる。驚くほど一緒だったり、鏡のように反対だったり……。共感と新鮮さが交互に現われて、とても面白い。
姉ほどではないけど、私も初対面の人には抵抗があると思う。なのに、ナギには抵抗どころか、不思議な魅力を感じていた。その証拠に、さっき知り合ったとは思えないほど砕けた雰囲気になっている。他の人ならありえないことだ。

「それにしても、不思議だな……オレ達。偶然出会っただけなのに、こんなに共通点があるんだもんなぁ……」
「本当ですよね……。なんだか、運命を感じてしまいます……」

この世界に生まれる前から出会うことが決まってたかのような、そんな不思議で突拍子も無い想像。普段だったらそんなことは思わないのに、ナギと話していると考えてしまう。それほどまでに、私にとってナギの存在は驚愕に満ちていた。

「おお、やべぇ……、そろそろ帰らなねぇと……」
「あ、もう日が暮れますね……」

 喫茶店に入ったのは昼頃。それなのに、すでに外は茜色に染まり、町は彩りを変えていた。気付かないうちに、随分と話し込んでいたようだ。

「じゃあ、明日もここで会おうぜ、レン」
「はい、また明日です、ナギ」

今日あったばかりの、それこそ全然お互いのことを知らない私達。
なのに、不思議と次に会う約束を交わしていた。
それがまるで旧知の友人かでもあるように、とても自然に感じられたのだった。

それからは、毎日のようにナギと遊んだ。
お互いのことを話したり、買物に行ったり。
お互いの服を取り替えて着てみたりということもあった。
ナギと一緒に居ると刺激的で、なのに心地が良かった。
だから遊んで遊んで、沢山笑いあった。


……まさか、それが終わる日が来るなんて想像もしてなかった――
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# by AIL-kazabana | 2011-03-31 23:41 | 小説

 あるところに、一匹の猫がいた。
 その猫は何の変哲もないミケ猫にしか見えないが、大きな秘密を抱えていた。 なんとその猫は、神様だったのです。

 神様と言っても、すごい力は持ってません。
 それなのに、正真正銘の神様なのです。
 ……え? 信じられない? では、この猫の1日を追って、神様っぷりを実感して下さい。

 「あ、ミケ!」 神様の朝は早い。なんと、学校に近い小学生が登校するような時間に起きるのだ。流石は神様だ。神様を見つけた小学生が呼びかけるが神様は見向きもしない。ご近所の人々に「ミケ」の愛称で親しまれてはいるが、神様だから愛嬌を振り撒くような事はしない。神様はプライドが高いのだ。

 「お、今日も来たのか。ホレ、昨日の売れ残りだ」神様はグルメだ。ゴミ箱を漁ったり、拾い食いなんてしない。神様の食事は、人々からの「お供え物」で賄われている。神様くらいになれば、毎日いいものが向こうからやってくるということだ。流石である。

  「ミケや……いらっしゃい」 神様は多忙である。ご近所にいる老夫婦が寂しくないように、毎日通って相手をしてあげる。決して、時々貰えるご飯が目的ではない。神様はちゃんと、人々を見守り、時にはその手を差し伸べるのだ。くどいようだが、決してご飯を要求する手ではない!!

 さて、これで神様の凄さが分かって頂けただろう。
 え? 全く分からない?
 そんな……何で分からないのです!?

   この神かかった可愛いさが!!

 ……猫の可愛いさは神。異論は一切受け付けない。
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# by AIL-kazabana | 2011-02-17 22:50 | 小説

誰か続きを書いて

 こうじゃなかった……。こんなつもりじゃなかった……。
 誰もが理想と違う現実に困惑し、否定していた。
 そう、この俺も……。


 雪の降る町。
 この1月という暦の上ではおかしくない、ごくごく平凡な風景。
 別に雪国というわけではないけど、私の住んでいる地方だって寒い時期は寒い。雪が降ることもたまにだが、あったりするのだ。
 なんということはない。これがどこにでもある普通。
 そう思いながら私、風宮 夏帆(かぜみや かほ)は2階にある自室の窓から外を眺めていた。見ていた理由はない。ただ単純に、明日がテストとという現実から目を背けた先にあったのが、たまたま窓だったというだけだ。
 まあ、勉強は嫌いだから仕方ない。おかげで手に持っているお気に入りのシャーペンは、さっきから全然仕事をしていない。机に広がっているノートにまだ少ししか数式が書き込まれていないのがその証拠だ。シャーペンに意思があったら、ストライキを起こされてもおかしくない。……ちょっと見てみたいかも。

「夏帆ぉ~。ごはん~」
「はーい」

 おっと、無駄なことを考えている間にタイムアップ。部屋の外から夕飯を告げる親の声が聞こえる。
 書きかけのノートを何の未練もなく閉じて、頭の中では既に夕飯の献立を推理している。こういうときの頭は、勉強のときなんかより遥かに回る。フッフッフ。好きな事の為には本当の力が発揮されるものなのだよ、人間っていうのはねね。……べ、別に、食い意地が張っているわけじゃないんだよ?
 
「今日のご飯はなんだろな~♪ ……ん?」

 さっきまで見ていた窓の外に人影が見えた気がした。でも、見間違いかもしれない。
 そもそも、窓の外に広がるのは町の風景。2階にある部屋だから、結構眺めもいいのだ。人だっていてもおかしくはない。雪だって多く降ってはいるが、まだ積もっているとは言い難いし。
 だから、人影が見えてもおかしくない。おかしくはないはずなんだけど……。

「でも、さっき……2階のはずのこの部屋の、窓のすぐ前にいなかった?」

 田舎と言っても差し支えないこの町では、家と家の距離が離れているのが普通。そして、この家も周りとは多少距離が離れていた。
 それなのにその人影は、2階の窓の傍を通り過ぎていた。……と思う。
 確証が持てない。見えたのはほんの一瞬だったし、そもそも冬の窓は曇っていて視界が悪いのだ。
 だからそれが見間違いだと言われたら、何の反論も出来ない。

「……そ、そう、見間違いだよね。普通に考えてもあり得ないし。それよりご飯ご飯~」

 不安や恐怖がない訳じゃないけど、そんなことホラー映画じゃない限りあり得ない。
 その時の私はそう自分に言い聞かせて、自分の部屋を後にした。
 だから気付かなかったんだ。

 今まさにその窓から進入しようとしている存在に――。



あとがき:
……いったい、この小説は何なのでしょうね?(ぇ
とりあえず、最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。

今回は、何の考えもなしに始めさせて頂きました。いや~コードギアスのDVD見たら創作意欲が刺激されちゃいまして……。始めの方の文章は、まんまコードギアスって感じですしね~。ただ、終わり方がホラーっぽくなってしまいましたけどね~。この作品はどこに向かっているのでしょう?

私の中ではある程度設定を考えていますが、続きは書きません(ぇ
これを読んだ人が、自由に先を考え、設定を作ってみてください。そして、続きが出来たら教えてください。私、読みたいので(笑
リレー小説みたいになると面白いな~とか考えてます。すごく勝手にですが(笑

でも、この流れでホラー以外を考えてくれる人はいるのでしょうか?
私はこのままローファンタジーラブコメにするつもりでした。……うん、全然想像できないですよね(苦笑

同じものをmixiにも置いてきます。
私、続き待ってますよ~。

ではでは。
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# by AIL-kazabana | 2010-03-11 17:44 | 小説

遠足

歩け歩け歩け

人よりも踏み出すことが遅かった足を、一生懸命前へと動かす。

歩け歩け歩け

人より進みが遅い足を、叩きながら歩を進める。

歩け歩け歩け

足が痛んでも、壊れそうになっても、足が使える限り歩みは止めない。
周りの人はずっと先にいて、すごい速さで歩いている。
だから、足が痛いなんて言ってられない。足を止めてなんていられない。
早く追いつくため、足を更に叩く。

歩け歩け歩け歩け歩け歩け

歩くことで壊れていく。
だけど止まらない。
止まれない。

歩く以外を、叩く以外を知らないから

歩け歩け歩け――
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# by AIL-kazabana | 2009-10-03 01:55 |

嫌い

人は嫌い。
特に同性の人は嫌い。
異性でも……やっぱり嫌い。

嫌い。
嫌い嫌い。
嫌い嫌い嫌い。

全員嫌い。あなたに近寄る人は――
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# by AIL-kazabana | 2009-09-14 00:43 |